旅の途中

スイスあれこれ #4 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
スイスのほぼ中央、水景煌々たる四森州湖畔に佇む中世の古都ルツェルンは、「スイスの中のスイス」とも賞嘆されるほど美しい街である。昨年のスイス旅行では当然ながらこの街も訪れて、たくさんの写真を撮ってきた。けれども、これまでこのブログでルツェルンのことを取り上げたことは一度もなかった。意図的に避けてきたとも言える。そうするについては、実のところ深長な理由があったのである。
 
 

これはルツェルン駅構内を歩き回った小生の GPS トラックである。列車を待つ間、トイレを探して必死に歩き回った急迫の記録である。もとより観光立国のスイスであるからトイレの案内表示に抜かりのあるはずがない。公設トイレはすぐに見つかった。しかし、である。一体全体どこの世界にトイレ使用料として 2.4 スイスフラン(当時のレートで300円)も取る駅があるだろうか。ベルン中央駅では1スイスフランだったのに。ルツェルンのこのボッタクリ価格が許しがたくて、何がなんでもどこかでタダで用を足してやろうと、斯くのごとき仕儀と相成ったのである。最終的に切迫する生理現象に抗うことは出来ず、しぶしぶ 2.4 スイスフランを払って安堵を得ることが出来たわけだが、この自分がボッタクリに屈してしまったという不快感がいつまでたっても忘れ得ぬ記憶として残っている。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、ルツェルンのことをこれまで忌避してきた深長な理由とは、そういうことである。つまり、ただそれだけのことである。

スイスあれこれ #3 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
ベルン中央駅でのひとコマである。スイスが永世中立国であることは小学生でも知っているが、完全に中立であるためには他の如何なる国家・勢力とも組することがあってはならず、万が一他国から侵略を受けた場合は独力で防衛しなければならない。為にスイスでは国民皆兵制を布いていて、スイス国籍を持つ成人男性は全員、初年度に4ヶ月、それ以後は毎年3週間、兵学校で訓練を受けることが義務付けられているそうだ。たとえ海外に在住していても毎年帰国して兵訓練を受けなければならない。違反した場合は国籍剥奪となる。



Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
そういう次第であるから、スイスの男性は筋骨隆々の逞しい人が実に多かった。しかし、実際問題として今のこの時代にスイスへの侵略を企てる国があろうとは到底思われない。だから無駄な国防費は削減すべきであり、徴兵制度も廃止すべきとの声が挙がり、その是非を問う国民投票が 2013 年9月に行われた。その結果、スイス国民は圧倒的多数をもって徴兵制の存続を支持したのである。非武装で永世中立は維持できない、自らの平和と安全は自ら守る、という考え方が徹底していたのである。スイスという国は、アルプスの峰々の天を突く高さに声望あるのみならず、人々の気骨もまた透徹して高きところに在るを知り、すっかり平和ボケした極東の島国に暮らす自分などは至極感激した次第である。

スイスあれこれ #2 


RICOH GR
チューリッヒからベルンに向かう途中、車窓から発電所らしきものが見えた。家内が「あれ、もしかして原発じゃない?」と言ったが、この辺りには住宅街や牧草地が広がっているし、列車から丸見えのこんな場所で、まさかそれはないだろうと思っていた。ところが.....



©Google
あとで調べてみたら、家内が直感したとおり、我々が見たのはゲスゲン原発 Gösgen Nuclear Power Plant であることが判明した。農地や住宅地のド真ん中にある.....



ネット上のフリー画像を引用
良い悪いは別にして、スイスって、凄くないですか・・・?

スイスあれこれ #1 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
ヨーロッパでは改札口のない鉄道が多く、切符を持たなくても自由にホームに出入りできるが、ここスイスのチューリッヒ中央駅は、改札どころか一般市道とホームの境界さえない。この開けっ広げさには驚いた。

チューリッヒの女 #2 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH / ZURICH
この写真に女は出てこない。何故ならぼくが狙っていたのはトラムが走り抜ける風景だったからである。しかし、数分毎にトラムが行き交う合間に左の家の窓明かりを見ると、室内を歩き回る下着姿の女が見えたのである。「なんてついているんだ、この俺は~!」と小躍りして喜ぶほど自分は馬鹿じゃない。ただし、何年か前に歌舞伎町のホテルに泊まったとき、窓から新宿ゴールデン街を眺めていたら、バラック小屋の2階でトップレスの女が涼んでいたのを思い出した。遥々チューリッヒまで旅して来て、なんで歌舞伎町のことなんか思い出すのかなぁと、己の愚昧さに呆れ果てた次第である。

悪い絵 #3 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
シャガールの「戦争」。これを悪い絵と言っては「不敬も甚だしい!」とお叱りを受けるかもしれないが、如何に天才といえども、狂気がなければこんな絵は描けるはずがないと感じたのである。この絵の前に1時間。

悪い絵 #2 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
これもまた非常に悪い絵である。題名は「Walpurgisnacht」。邦訳すると「百鬼夜行」となるが、鬼や妖怪が群れ歩く日本的なイメージとはまるで異なる、極めて邪悪な有り様に息をのんだ。
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悪い絵 #1 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
こんな悪い絵は見たことがない。タイトルは「Titania liebkost Zettel mit dem Eselskopf:ロバ頭のはりぼてを愛撫するティターニア」。作者はヨハン・ハインリッヒ・フュースリー(1741-1825)。一説によれば、この画家は絵画史上最大の教養人との呼び声も高く、その教養を駆使してかつてないほど人間の深層心理に迫る絵画を生み出したとされる。しかし、非常に高度な知識を元に物語性のある絵を描くため、その意味を理解するのがきわめて難しく、それ故に人気がないそうである。



Oberon träufelt Blumensaft in die Augen der schlafenden Titania:眠れるティターニアの目に花汁を滴らせるオベロン

妖精王オベロンは、女王ティターニアが自分の言うことを聞かないことに怒り、眠っているティターニアの目に花の搾り汁を滴らせる。その花汁には「眠りから覚めて最初に見た者に恋をしてしまう」という媚薬効果があるのだが、いたずら者の妖精バックが、下人の頭をロバに変え、目覚めたティターニアがロバ頭に恋をしてしまう、という筋書である。右上で嗤っているのが多分バックだろう。しかし、とても妖精には見えない。
なんだ、それならこれはシェークスピアの『夏の夜の夢』に出てくる話じゃないか、と思われた方はさすがである。情けないことに自分は帰国後にこの絵のことを調べてようやく分かった次第である。見ているときは何を描いたものなんだかさっぱり分からず、ただひたすら「これは悪い絵だ。なんちゅう悪い絵だ…」とうなりつつ、しばらくその場を動くことが出来なかったのである。

チューリッヒの女 #1 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH / ZURICH
35mm だけ連れて川沿いの道をぶらぶら歩いていたら、「ここにカメラを置いてお撮りなさいな」と言わんばかりの最高の石塀があった。これ幸いとカメラを置き、慎重に構図を決め、絞りを絞って撮ったら、こんな具合にシャープに写り過ぎてしまった。杓子定規にパンフォーカスで撮ろうとした故の失敗である。夜に絞りを絞ってどうするか。反省。しかし問題なのはそんなことではない。川向こうには、じっと佇む女がいたのである。
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氷 河 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
ここで必殺の1枚をお見せするわけにはいきませんが、昨年撮ってきた氷河の写真を、ちょっとだけお裾分けです。

アルプスの思い出 #6 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

アルプスの思い出 #5 


すでに標高 4000mを越え、ちょっと登るだけで息が切れてくる。気温はマイナス 5℃。つい先日まで 30℃越えのベルンで半袖で過ごしていたのが嘘のようだ。斜面を舐めるように雲が湧き上がり、あの登山パーティは間もなくガスに巻かれてしまうだろう。



Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

アルプスの思い出 #4 





Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

アルプスの思い出 #3 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

アルプスの思い出 #2 








Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

アルプスの思い出 #1 











Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art

ツェルマットの猫 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
ここツェルマットでは、穀物庫がネズミに荒らされるのを防ぐために「ネズミ返し」という建築技法が古くから伝えられているそうだ。
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撮影中の私 


RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
夢中になって写真を撮っていると、撮影助手が寄ってきて「もし使ってなかったら GR を貸してくれませんか?」と言う。助手は普段、カメラを手にすることがまったくないから、これは極めて珍しいことである。ははあ、さてはこの大絶景に感動して、とうとう自分でも撮ってみたくなったんだなと思い、GR を貸してあげた。それから少しして、助手がやってきて「なかなかいい感じに撮れましたよ~」という。何を撮ったのかな? どれどれ。モニターを見てみると........ 
ガーン! なんだ、この写真は! 助手は「写真を撮ってるおとーさんを撮ってみました」と言ってニコニコしている。ガチョ~ン! ド素人のくせに 21mm で完璧な構図じゃないか! こやつ、ひょっとしてかなり才能あるんじゃないのか?...... タジタジ.....

ゴルナーグラート展望台 #2 


RICOH GR / 意中の山は何時間待っても雲をまとい続けて、その姿を見せてくれず.....
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ゴルナーグラート展望台 #1 

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車窓から 

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ピラトォス山 #2 


またあんなギリギリのところに立って、怖くないのだろうか?
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ピラトォス山 #1 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art / ピラトォス山頂からの雄大な眺め
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ピラトゥス登山鉄道 


ベルンから急行でルツェルンへ。 ルツェルンから鈍行でアルプナッハシュタットへ。
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ベルン 午前5時 


少し前から雨が降り出したが、傘を持って出なかったことを別に後悔はしなかった。 静かに、幽かに、厳かにけぶるベルンの街。
こんな情景を見ることができて、本当に幸せだった。




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麗しきベルンの夜 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art / f 16 / 30sec / ISO100
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親切な人々 


ベルンの人達はみんな親切だ。例えば、ちょっと立ち止まって地図を見ていたりすると、すぐに "May I help you?" と声を掛けてくれる。ぼくは別に困っていたわけではないけれど、せっかくおじさんが気を利かせて声を掛けてくれたので、道に迷ったふりをして地図の適当な1ヵ所を指差し、「ここに行きたいのですが」と言ってみる。
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コルンハウスケラー 


ここは18世紀のコルンハウス(穀物庫)を改造して作られた地下レストランです。今はちょうど正午ですが、店内はガラガラでした。
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市民のアーレ川 

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月夜のベルン 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH / ベルン郊外の宿舎の近くで
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