旅の途中

2016年01月の全記事一覧



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冬 日 


Canon 5D Mark lll / EF70-200mm F4L IS

悪い絵 #3 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
シャガールの「戦争」。これを悪い絵と言っては「不敬も甚だしい!」とお叱りを受けるかもしれないが、如何に天才といえども、狂気がなければこんな絵は描けるはずがないと感じたのである。この絵の前に1時間。

海上の斜光線 


Canon 5D Mark lll / EF70-200mm F4L IS
漆黒の水平線上に斜走する光あり。これを見て、内田百間の短編「件」を思い出した。件(くだん)とは体が牛で顔だけ人間の生き物で、生まれて三日で死ぬが、死ぬ前に重大な予言をすると言い伝えられている。主に凶作や疫病や戦争などの凶事を予言し、その的中率は100%である。この妙な生き物とこの写真がどう繋がるのか、くどくなるので説明は省くが、この写真を撮って以来、自分が件になった夢を見て、びっしょり寝汗をかいて夜中に目覚めることが多くなった。そろそろ本当に駄目かもしれない。なお、濃紺の空にトーンジャンプがあるように見えるかもしれないが、14bit RAWファイルのストレート現像なので理論的にそれはあり得ない。見えているのは大気の対流境界層である。

悪い絵 #2 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
これもまた非常に悪い絵である。題名は「Walpurgisnacht」。邦訳すると「百鬼夜行」となるが、鬼や妖怪が群れ歩く日本的なイメージとはまるで異なる、極めて邪悪な有り様に息をのんだ。
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朝 日 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
室内観葉植物のくせに昨秋からハラハラと葉の落ち始めたベンジャミンの木。かろうじて残り葉が二つ、三つ。さっさと落ちてしまえばいっそ清々するものを。ところで朝日という奴は真正面から逆光で撮るよりも順光で撮るほうがよほど色っぽい。故に小生は西の窓を開け、そこに反射している朝日を撮るのである。



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
その反射した朝日が差し込んで今度は東の壁に映る。すると何だい、これは。まるで斜陽の図じゃないか。けしからん!

天の声A「一番けしからんのは年頭の誓いも何処へやら、さっそく朝寝坊に出不精を決め込んでいるなかまち君じゃないのかい?」
天の声B「だいたいパジャマを着たまんまで、こんな手抜き写真を撮っていい気になってるなんて、たるんでるよね」
天の声A「そうだね、たるんでるよね。この人はもう駄目かもしれないね」
天の声B「そうだね、駄目かもしれないね」

悪い絵 #1 


RICOH GR / チューリッヒ美術館
こんな悪い絵は見たことがない。タイトルは「Titania liebkost Zettel mit dem Eselskopf:ロバ頭のはりぼてを愛撫するティターニア」。作者はヨハン・ハインリッヒ・フュースリー(1741-1825)。一説によれば、この画家は絵画史上最大の教養人との呼び声も高く、その教養を駆使してかつてないほど人間の深層心理に迫る絵画を生み出したとされる。しかし、非常に高度な知識を元に物語性のある絵を描くため、その意味を理解するのがきわめて難しく、それ故に人気がないそうである。



Oberon träufelt Blumensaft in die Augen der schlafenden Titania:眠れるティターニアの目に花汁を滴らせるオベロン

妖精王オベロンは、女王ティターニアが自分の言うことを聞かないことに怒り、眠っているティターニアの目に花の搾り汁を滴らせる。その花汁には「眠りから覚めて最初に見た者に恋をしてしまう」という媚薬効果があるのだが、いたずら者の妖精バックが、下人の頭をロバに変え、目覚めたティターニアがロバ頭に恋をしてしまう、という筋書である。右上で嗤っているのが多分バックだろう。しかし、とても妖精には見えない。
なんだ、それならこれはシェークスピアの『夏の夜の夢』に出てくる話じゃないか、と思われた方はさすがである。情けないことに自分は帰国後にこの絵のことを調べてようやく分かった次第である。見ているときは何を描いたものなんだかさっぱり分からず、ただひたすら「これは悪い絵だ。なんちゅう悪い絵だ…」とうなりつつ、しばらくその場を動くことが出来なかったのである。

チューリッヒの女 #1 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH / ZURICH
35mm だけ連れて川沿いの道をぶらぶら歩いていたら、「ここにカメラを置いてお撮りなさいな」と言わんばかりの最高の石塀があった。これ幸いとカメラを置き、慎重に構図を決め、絞りを絞って撮ったら、こんな具合にシャープに写り過ぎてしまった。杓子定規にパンフォーカスで撮ろうとした故の失敗である。夜に絞りを絞ってどうするか。反省。しかし問題なのはそんなことではない。川向こうには、じっと佇む女がいたのである。
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箴 言 #1 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
どの著書であったか、城山三郎氏が随筆の中で次のような箴言を紹介している条があった。
「静かに行く者は健やかに行く。健やかに行く者は遠くまで行く」
この「静かに行く者」を自分なりに英訳して「silent walker」なるハンドルネームを名乗ったことがあった。7~8年前のブログでね。
しかしそうした思いとは裏腹に、何時までたってもなかなか静かに歩むことができない。やはり相当生い立ちが悪いのだろうなぁ.....

ISHIKARI #2 


Canon 5D Mark lll / EF70-200mm F4L IS

ウィスキー 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
年末年始で帰省していた娘夫婦が昨日ようやく長野に帰った。正確に言うと、婿殿は仕事があるから3日に帰ったのだが、実家の居心地のよさ故か娘だけが昨日までだらだらと我が家で「無責任な娘気分」を謳歌していたのである。お陰でこちらはいささか肩が凝った。家内はもっと肩が凝ったことだろう。そう思って、昨夕「白州」を1本買ってきて、台所のカウンターに置いておいた。ウィスキー好きの家内を慰労するためである。そうして今朝見たら、知らない間にこれだけ減っていた(笑)

氷 河 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art
ここで必殺の1枚をお見せするわけにはいきませんが、昨年撮ってきた氷河の写真を、ちょっとだけお裾分けです。

祈 願 


LEICA M-E / SUMMILUX-M 35mm 球面
みんな、願い事が叶うといいね。絵馬に念力を掛けている受験生?の君もね(笑)

夜の港幻想 






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ISHIKARI #1 


LEICA M-E / UWH 12mm F5.6 / 2015-12-31 / Before Dawn




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謹賀新年 


皆さん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
写真集「旅の途中」は広島県出身の写真家・瀬尾明男氏が津軽や北海道を何度も旅して撮られたものですが、驚くべきことに写真はすべて冬の情景で構成されています。温暖な土地の人が北国の本質を見事なまでに看破されている。そこに惚れ込んで、この十年来、何百回となくページを繰ってきました。拙ブログのタイトルもこの本にあやかったものです。自分もそろそろ「あれも撮りたい、これも撮りたい写真小僧」を卒業して、物事の本質に迫る写真に取り組んでいきたいと心を新たにしています。取り組むべきテーマはとっくに決まっていますが、問題は「早起きはきついなぁ。もっと寝ていたいぞよ~。寒いのはこたえるなぁ。家でじっとしていよう」という己れ自身の怠惰にあります。それを克服できるかどうか。たぶん半分くらいは駄目でしょうが、半分くらいは頑張ってみたいと思います。これって年頭の抱負にしてはいい加減過ぎますかね?(笑)