旅の途中

2016 FINAL 


光陰矢の如しと申しますが、本当に早いもので今年も残すところあと僅かとなりました。1年間、私のつたない写真をご覧いただきまして誠にありがとうございました。「写真ブログをやっている以上、もっといい写真を撮りたい」と心に念じながら毎日を過ごしてきましたが、そのための努力を今年ほど怠った年はありませんでした。情けない限りです。また、撮るべき写真はすでに何年も前から決まっているのに、何だかんだと自分に言い訳をして(つまりは面倒くさがって)撮りに行かない。怠惰の極みであります。来年こそは..... と心に期している、この年の瀬でございます。

さて、今年撮った写真の中から各月毎にお気に入りの1枚を自選してみました。
以下に掲載しますので、もしよろしければ今しばらくお付き合いください。
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師走の北海道神宮 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH

北大構内 


LEICA M-E / SUMMILUX-M 35mm 球面 / 記録的大雪の数日前に

初冬のオホーツク 


Canon 5D Mark lll / EF135mm F2L

謎めいた舟 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH

STOCKHOLM #30 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH / 人影の絶えた王宮内の一角にて

STOCKHOLM #29 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
王の霊廟。まったき静けさの中に歴代のスウェーデン国王が眠っています。



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
一介の旅行者風情がこんな間近に王の棺を見ることが出来て、更に写真まで撮らせてもらえるとは、日本ではおよそ考えられないことですね.....



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
ここでもまた極力物音を立てないよう細心の注意を払い、分離シャッターで撮影しました。1枚撮るごとにシャッターボタンを押し込んだままカメラをバックの中に突っ込み、腕ごと蓋で覆ってからシャッターボタンを離すようにしました。チャージ音はカメラバックの中で幽かにくぐもった音を立てるだけです。警備員も私のことを信用してくれたのか、監視の目を緩めて姿を隠してくれました。ありがたいことです。

STOCKHOLM #28 


LEICA M9-P / UWH 12mm F5.6 / これは何の間だったか忘れてしまった.....



LEICA M9-P / UWH 12mm F5.6 / 王宮内にある王族居住棟の回廊

STOCKHOLM #27 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
スウェーデン王の寝室。何ともいえぬ異様な雰囲気に畏れおののきつつ、この場の静謐を冒さぬよう分離シャッターで慎重に写真を撮っていると、私の肩越しに家内がささやいた。「こんな部屋で眠っていて王様は悪夢にうなされなかったのかしら……」



LEICA M9-P / UWH 12mm F5.6 / 0.3sec / ISO1250
たしかに……

STOCKHOLM #26 


LEICA M9-P / UWH 12mm F5.6 / スウェーデン王宮
国王の居室。こんな暗い部屋にひとりで座って、何を思っていたのだろう。自分などが到底知りえぬこの世の狂気と無情と残酷な有り様に胸が塞がれていたのではないだろうか。しばらく息を止め、震えがおさまるのを待って、静かにシャッターを切った。

脳梗塞の恐怖 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
制酸薬の PPI を長期服用していると認知症発生リスクが4割以上も高まるという恐るべきデータを以前の記事で紹介したが、その後まもなくして、PPI は胃酸の分泌を抑制するのみならず、個々の細胞内にあるリソソームの酸分泌をも抑制するという仰天動地の基礎論文が発表された。リソソームというのはすべての細胞内に存在する細胞小器官のひとつで、細胞内に蓄積したゴミを分解する働きがある。人間社会に例えていえばゴミ焼却炉みたいな役割を担っているわけだが、その働きが PPI によって抑制される結果、細胞内にどんどんゴミが溜まって行き、細胞の老化が早まるということらしい。それはちょっとマズイな~と思って、ある夜 PPI を服用せずに寝てみたが、そしたら一晩中ひどい胸焼けで死にそうになり、こんなに辛い思いをするくらいなら認知症になったっていいから俺は PPI を飲み続けるぞ~!と決めたわけです。



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
どうせ認知症になるなら今のうちに旨い酒をどんどん呑んでしまえ~と尻をまくっていたところ、つい先頃、またしても涙がちょちょ切れるような臨床データが発表された。上部消化管症状があって内視鏡検査を受けたデンマーク国民24万4679人(平均年齢57歳)を対象に、PPI の服薬状況と脳梗塞発症率との関係について6年間に及ぶ追跡調査が行なわれた結果、高用量の PPI 常用者は脳梗塞発生率が最大90%も上昇していたというのである。何ということだ..... 認知症にはなってもいいけれど脳梗塞で寝たきりになるのは困るなぁ。介護のおばさん達にオムツ交換をされるなんて絶対にイヤだぞ。ああ、どうしよう。今夜は PPI を飲まずに寝てみようかな。神様、どうか胸焼けがしませんように。「そんな神頼みする前に、まずは酒呑むのやめろ~!」という罵声が飛んできそうですが.....

夕 闇 


LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
北に向かって幹線道路を走行中、左の車窓にふと気になるものを感じ、左折してみた。30分ほど前に日没を迎え、山裾はもう幽玄たる闇に包まれ始めている。



RICOH GR
ここは見知らぬ土地で、この先にどんな集落があるのだろうかと興味を覚えながらも、じっとここに車を停めたまま、進んでいこうとしない自分がいる。先ほど感じた「気になるもの」とは何か。その正体は、おぼろ気ながら分かっている。分かっているが故に躊躇っている。自分も随分と臆病になったものだ.....

Sacraさんのタンバール #5 


Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2



Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2
何を撮っても楽しいレンズです。どうしてこんなに楽しいのだろうと考えてみると、それはピントリングのトルク感が本当に素晴らしくて、ピントを合わせる操作そのものが今までに経験したことのない快感をもたらしてくれているのだと気づきました。例えて云うならば、それはカメラのシャッターフィーリングであったり、車のハンドルの接地感であったり、名器の音色であったり、そうしたカタログスペックには出てこない感覚的なものなのですが、そういうところにこそ物事の真髄が隠されているように思います。Apo-Summicron 75mm F2 を使っているときはピント合わせが苦痛で苦痛で仕方なく、ピントの歩留りも非常に悪くて、中望遠はもうAFに頼らなければ駄目だ~と観念していたのですが、まさか 90mm で苦もなくピントを合わせらるなんて想像もできませんでした。それも吸い付くようにピント面が浮き出てくるのですから、もうたまりません。Sacraさん、素晴らしいレンズをお貸しくださって本当にありがとうございました。感謝してます。

Sacraさんのタンバール #4 


Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2 / 北海道神宮 / 11月19日
年頃の娘さんを連れての家族旅行だろうか、霧の参道にとても感激している様子だった。品がよくて、慎み深く、参道の端を静かに歩いていく姿が心に残った。



Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2 / 同日午前8時15分
一方、自分はと言うと、性懲りもなく「霧の向こうから誰か和服姿の美人でも歩いてこないかなぁ」と淡い期待を抱いてこの場に佇んでいたわけだが、さすがにまた遅刻してはいけないと思って今回は早めに切り上げた。しかし札幌でこんな霧は滅多に見られないので、実に誠に無念でした。

Sacraさんのタンバール #3 


Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2 / 11月6日
日曜の朝、カーテンを開けたら雪が降り積もっていた。二階の窓ガラス越しに寝惚けまなこで1枚撮ってみたが、新雪のふわりとした感じがうまく表現できたように思う。やはり素晴らしいレンズだ。



Leica M9-P / Thambar 9㎝ F2.2
この日は朝からずっと冴えない曇天が続いたが、昼頃になって一瞬だけ日が差した。その光を逃すまじと庭に走り出し、この1枚を撮った。たとえソフトフォーカスレンズであっても自分はピントの芯がキリッとしているのが好きなので、シャープネスをやや強めにかけて現像しています。