旅の途中

WIEN 2014 #01 


RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
警笛ひとつ鳴らすことなく、私の体すれすれをトラムが走り抜けていく。それでこそ ウィーン。またこの街にやって来たのだ。








RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
ホテルにチェックインを済ませると、ひと息入れる間も惜しんで外に飛び出した。思い出のあのバイスルはまだやっているだろうか?
記憶を頼りに急ぎ足で路地を行く。




RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
右から女性が歩いてきたので、ちょうどいい位置に来るまで待ってシャッターを切った。しかし、このとき私が気になっていたのは窓辺に身を乗り出している女性のことだ。いったいどんな表情を浮かべているのだろうか。75mm ならすぐに取り出すことができる。でも、そうはしなかった。彼女の夜想を盗み撮るような卑しい心根を恥じたのだ。




LEICA M-E / SUMMARIT-M 75mm F2.5
意中のバイスルはなかなか見つからない。ひょっとするともう店を閉じているのかもしれない.....
もういい加減、腹も減ってきたし、どこか適当に入ろう。




RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
感じのよいレストランはいくらでもあったが、私達が選んだ店はここだ。およそウィーンには似つかわしくない妙な雰囲気の居酒屋でウェイターもプロレスラーの如きスキンヘッドの大男だが、戸口の窓から中の様子をうかがっていると、この男がなかなかの働き者で食事をしているお客さん達の表情も楽しそうなので、試しに入ってみることにした。




RICOH GR / GW-3 / 21mm F2.8
大正解だった。ワインも料理も美味いこと美味いこと。




LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
食事を終えて外に出ると雨脚が強まっていた。家内に傘を持ってもらい、ベンツのリアウィンドウにぴたりとピントを合わせたはずなのに「何故か」見当違いのところにピントが抜けていた。何故かって? そんなことは自問するまでもなかろう。答えは明らかなんだから。




LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm ASPH
あれからずっと恋焦がれてきた2度目のウィーン初夜だ。酔わぬはずがあるまい.....
そうして街灯りが徐々に消え、アルコールが巡り、体力が尽きるまで、路地という路地を歩き続けた。