旅の途中

引っかかる写真 


LEICA M-E / SUMMILUX-M 35mm 球面
GWの散歩中に撮った1枚。窓の内側に入り込んだツタが枯れ残っている。「こんな風流な家は一体どんな構えをしているのだろう?」という好奇心が何故このとき湧いてこなかったのか。このワンカットを撮っただけで満足して、そのまま真っ直ぐ通り過ぎてしまった。角をちょっと曲がれば更なる風流に出会えたかもしれないのに。それがずっと心に引っかかっている。



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
ここは近代美術館。通りの向こう側には画商や喫茶店やカレー屋の入っている雑居ビルがあって、その脇で水道栓が外れて水が噴出していた。道路の濡れ具合からみて相当長い時間、水が漏出し続けていることが分かる。ビルの人達はどうして気づかないのだろう。見て見ぬふりをして通り過ぎるのは良心が許さないので、家内に命じて水道栓を止めに行かせた。その間、ぼくはこのカットを撮っていた。青空をフレーミングすべきか排除すべきか相当迷い、結局、青空を外した構図で撮ったのに、あとで見たらほんのわずかに写り込んでいた。この「ちょっとだけよ」がぼくらの世代にはたまらんのである。どーでもいいような写真だけど、自分で水道栓を止めに行かなかった若干の罪悪感と家内の従順さと青空のことがゴッチャになって心に引っかかっている1枚なのである。