旅の途中

光の拾い方 


Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art / 35mm / f 5.6 / s1/30 / -1.0EV / ISO125



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPH / f 2.8 / s1/125 / -1.0EV / ISO160

旅行出発前の最終チェックとして、それぞれのレンズ中心部のシャープネスが最高になる絞り値にセットして撮り比べをしてみたのだが、現場でこの結果を見て、ハッと気づいたことがある。建物の壁面の描写は大差ないのに、トタン屋根の色のりがかなり違って見えたのである。シグマのほうは屋根が光を反射して白っぽく写っているのに対し、ズミルックスのほうは光を反射しつつもコントラストが良好に維持されて、屋根の赤がしっかり写し出されている。




Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art / 35mm / f 8 / s1/45 / -1.0EV / ISO160



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPH / f 8 / s1/60 / -1.0EV / ISO160

今度は絞りや感度を同じにして、別のシーンで撮り比べてみたが、やはり建物正面の描写は大差ないのに、トタン屋根の色のりが随分と違って見える。このような部分的な色のりの違いというのは何に起因しているのであろうか? 専門的なことは分からないが、レンズのコーティングの違いなどが関係していそうにも思えるが、どうだろうか。いずれにしても光が斜めに反射するという際どい状況において、この2つのレンズは光の拾い方が相当違うぞ、ということが分かった。




Canon 5D Mark lll / SIGMA 24-105mm F4 Art / 31mm / f 8 / s1/30 / -1.0EV / ISO100



RICOH GR / 28mm F2.8 / f 4 / s1/90 / -0.7EV / ISO100

GR との比較もやってみた。トタン屋根の色のりは GR のほうがほんの少しだけいいかな?という程度で、それほど顕著な差は見られなかった。それが分かれば十分である。高性能レンズとして非常に評価の高い GR レンズとほぼ同等の描写をするのであるから、シグマのズームレンズ(Art)は大したものである。しかし、ライカレンズはやはりひと味違っていて、それらの国産レンズを上回る特性を有していた、という解釈でいいだろう。単にF値が明るいだけではないのである。

もし今回のテスト撮影で良好な結果が得られれば、今年の旅はライカを留守番させて 5D Mark lll + SIGMA 24-105mm F4 Art だけで撮ってこようかと、そこまで思い切ったことを考えていたのだが、以上のような「光の拾い方」の違いを見て、その考えは撤回せざるを得ないとの結論に至った。なお、蛇足ではあるが、数多のカメラ雑誌や写真サイトに掲載されている機材評価をみると、一に解像度、二に高感度ノイズと、どこを見てもそんな評価しか為されておらず、光をどう捉えるかという、正に写真の命に直結する部分が何ら考慮されていないことに自分としては非常に異和感を覚える。画面の隅っこに写っている遠くのビルの窓枠がどれほどノイズレスでシャープに写っているかなんて、どーでもいいことではないか。スペック至上主義に偏向する昨今のデジタルカメラ文化の何と稚拙なことよ.....