旅の途中

制酸薬と認知症 


LEICA M-E / APO-SUMMICRON-M 75mm ASPH

少し前のことになるが、制酸薬の PPI(オメプラール、タケプロン、ランソプラゾール、パリエット、ネキシウムなど)を長期服用している高齢者は認知症の発生リスクが4割以上も高くなるという驚くべき論文が JAMA(超一流の医学雑誌)に掲載された。これまでにも PPI をマウスに投与すると認知症の原因物質である脳内アミロイドβ が増加することが基礎実験で明らかにされていたが、今回の論文ではドイツ最大の公的医療保険である Allgemeine Ortskrankenkassen のデータベースを用い、2004 年から 2011 年の期間におけるすべての診断記録と PPI 処方データを抽出し、8万人に及ぶ症例を対象に追跡調査されたものであるから、その調査結果はまず間違いのないものと見ていいだろう。小生などは術後8年間に渡って連日の服用を余儀なくされているが、今に若年性認知症を発症するんじゃないかと戦々恐々である。また、ストレス社会の現代においては過酸による胸焼けなどで PPI を服用している人は非常に多く、我が国の薬品売上ランキングでタケプロンはベスト 10、ネキシウムはベスト 20に入っているほどである。安倍政権は医療費抑制政策のひとつとして大部分の医薬品のネット販売を事実上解禁してしまったが(つまり病院にはかからず自分で買ってくださいということ)、PPI を野放しにする結果、認知症患者が激増する事態となったらどうするのか。さてさて、大変な論文が出てきたものである。興味のある方は「こちら」を参照されたい。