旅の途中

寿都にて 


LEICA M-E / UWH 12mm F5.6
寿の都と書いて「すっつ」と呼ぶ。2005 年のちょうど今時分、やはり同じような素晴らしい五月晴れの日に初めてこの町を訪れて、港のそばにある古びた鮨屋にぶらりと入った。すると大将が「さっき上がったばかりのヒラメです」と出してくれたのが死ぬほど旨くて、家内と二人して大感激したことがある。その思い出の鮨屋にもう一度寄ってみようと、こうして 11 年ぶりに出掛けて来たのだが、いくら探してもその鮨屋が見つからない。観光案内所で聞いてみると、寿都には2軒の鮨屋しかないという。その2軒とも自分たちの記憶にある店とは似ても似つかない。もしかして潰れてしまったのだろうか.....



LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm ASPH
ひょっとしたら寿都じゃなくて、もうひとつ向こうの島牧村だったかな? 二人して顔を見合わせ、きっとそうに違いないという話になって、車を飛ばして島牧村まで行った。ところが、それらしい鮨屋は見つからない。地元の人に訊いてみると「島牧に鮨屋なんかありませんよ」と。ガ~ン。二人とももうすっかり腹ペコで、何が何でも鮨を食べたいモードに入っていたから、寿都に戻って、近いほうの鮨屋に入ろうということになった。



RICOH GR
近いほうの鮨屋である。こりゃあ駄目だと思って出ようとすると、大将が出てきて威勢よく「はい、いらっしゃい!」と。「やってますか?」と訊くと「はい、やってますよ」と。そして サッとおしぼりを出されたので、仕方なく席についた。そして「10 年ほど前のことですが、港に近いところに鮨屋がありませんでしたか?」と訊いてみると、「いんや、寿都には 30 年前からウチと○○寿司さんしかありませんよ」と。じゃあ、11年前に我々がヒラメを食べたのは何処だったのだろう??? 狐につままれたような気分で、しかし、特上とは名ばかりのどうしようもなく小さくて薄いネタが出てきたのに愕然とし、「毎月毎月、人が出てって、この町ももう駄目さ~」と大将が嘆くのに仕方なく相槌を打ち、「これ見てくださいよ」と差し出された町の広報誌の人口動態を見て、「なるほど、こりゃ大変ですなぁ」と同情してみせて。いやあ、まいったなぁ(^^;