旅の途中

Sacraさんのタンバール #2 


Sacraさんのタンバールは6ビットコード付きのMマウントに変換されている。だから最新のレンズと同じように扱うことができて非常に使い勝手がよい。製造されてから80年の永きに亘り幾多の達人たちの手を経てきたことだろう。鏡筒には所どころ地金が浮き出ているが、それすらもこのレンズが経てきた歴史の重みを伝えているようで誠に味わい深い。ピントリングの感触はまるで顕微鏡の微動焦点ハンドルのように精密で荘重な動き方をする。また驚くべきはレンズ面のコンディションの良さである。LEDライトを当ててみたところ、まったく曇りがなくて、宝玉のごとき輝きを放っている。その美しさを目の当たりにした途端、ざわざわと鳥肌が立ち、レンズの中に吸い込まれそうな錯覚を覚えた。まったくもって畏れ入った次第である。

さて、タンバールにはソフトフォーカス効果を増幅させる専用フィルターが付属しているが、フィルターの有る無しでどのような違いがあるのかを知りたくて、以下のように撮り比べをやってみた。上段がフィルターあり、下段がフィルターなしである。どのカットも絞り開放で撮っている。


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これは完全に好みの問題だが、自分はフィルターなしのほうがピントの芯がはっきりしていて好ましく感じられた。ライカレンズの解説本などを見ると、タンバールはフィルターをつけて「ちょい絞りで撮る」のがお作法のようだが、フィルターを外せば絞らなくても十分にピント面は凛々しく、にじみ具合も上品に感じられた。
ところが後日、ネットでタンバールについて検索していると、「このレンズの前玉は非常に柔らかいガラスで出来ていて、傷がつきやすいので取り扱いには要注意」という文言を発見して愕然とした。万が一キズをつけてしまっては取り返しがつかない。知らなかったとは言え、sacraさん、すみませ~ん! 今後はちゃんとフィルターを付けてお作法どおりに使いますので、今回のことはどうか許してくださ~い(^^;